「“インデックス投資ブーム”に危うさも、2021年の投資信託展望 – MONEY PLUS」という記事を読んで思ったことについて紹介します。先に大まかな感想を述べておくと、納得できる部分はあるものの”インデックス投資のみが危うい”という誤解を招く恐れがある記事だと思います。
これから投資を始めようとしている人で、上の記事を読んでインデックス投資は止めておこうか悩んでいる人の参考になればと思います。
インデックスファンドだからと言ってリスクが低いわけではない
上の記事では、次のような理由でインデックス投資が危ういと述べています。
非課税で積み立て投資ができる「つみたてNISA」の対象商品の多くがインデックスファンドであることから、「インデックス投資はリスクが低く、初心者向き」というイメージが浸透しています。しかし、インデックス投資はその名の通り、良くも悪くも市場平均(インデックス)に連動するので、それ自体がリスクが低いということにはなりません。
ここ数年でインデックス投資を始めた人は上昇相場しか経験しておらず、リーマンショックのように長く低迷する下落相場を知りません。次に大きな下落局面が来た時に、経験の乏しいインデックス投資家が持ちこたえられるかが心配ですし、その時に「やっぱり投資なんてギャンブルだ」と思われてしまう可能性があることにも強い危機感を感じています。
個人的には、
- 市場平均だからと言って、リスクが低いと言うことではない
と言う点には賛成です。
市場全体が暴落すれば、インデックスファンドと言えど大きく基準価額を減らすことになります。これは、私自身もコロナショックなど経験してきているので、間違いないと断定できます。
ただし、この部分を読むと
- アクティブファンドについては触れられていないこと
について違和感を感じます。
アクティブファンドだからと言ってリスクが低いわけではない
アクティブファンドには様々なファンドがあり、”市場平均を上回ることを目指している”ファンドもあれば”大きく下落することのないように安定した運用を目指している”ファンドもあります。
色々なファンドがありますが、共通して言えるのが
- 投資である以上、リスクはある
と言うことです。場合によっては、上手く運用してもらえて市場平均を上回る(市場平均より下がらない)かもしれませんが、逆に上手くいかず市場平均を下回る可能性もあります。
ちなみにですが、チャールズ・エリス「敗者のゲーム」によると、長期的にインデックス(市場平均)に勝っているアクティブファンドはごくわずかだそうです。
あくまでも、近年のインデックス投資ブームによって、インデックス投資は安心という誤解が広がっているのを懸念しての発言でしょうが、アクティブに触れないのはフェアじゃないと感じました。
インデックスもアクティブも長期保有が大事
ここまで批判しましたが、上の記事では良いことも述べているので紹介します。
相場は常に動くものであり、上昇すれば下落もします。投資はブームでなく生活の一部であるべきで、上がっても下がっても投資は続けるものであることを理解してもらう投資教育をもっと充実させる必要があると感じています。
やはり投資の失敗で多いのは、一時的な下落に耐えることができないというパターンだと思います。私も弱小ブロガーではありますが、運用実績の報告などを通して長期投資の重要性を伝えていけたらと思っています。
また、信託報酬だけを見ずにパフォーマンスも比べるように述べている点も良いと思います。特にアクティブファンドを購入するときは、信託報酬が低いからと言ってパフォーマンスが良いとは限らないので注意して欲しいと思います(少なくともパフォーマンスの確認をすれば長期的にまともなパフォーマンスを出すことのできていないファンドは避けることができるはずです)。
まとめ
インデックスファンドであってもリスクはあるのは事実ですが、それはアクティブファンドでも同じです。これから投資を始める人は、そこのところを誤解しないでいただきたいです。また、失敗をしないためにも基本的な投資の勉強をしてから始めることをおすすめします。
以上、参考になれば幸いです。
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