投資の基本は国際分散だと思いますが、最近では米国だけへの投資が流行っています。その流行ぶりは凄まじく、eMAXIS Slimシリーズの中で最も純資産が大きかった先進国株式インデックスをあっさりと上回りました。
人気絶大な米国株式ですが、ここでは本当に米国株式だけで良いのか悩んでいる人のために個人的な意見を述べようと思います。
投資先は米国株式だけで良いのか考えて見る
eMAXIS Slim米国株式とeMAXIS Slim全世界株式の比較
最初に2つのファンドの基本的な情報の比較をしておきます。
- 信託報酬は、米国株式が0.0968%、全世界株式が0.1144%
- 純資産は、米国株式が約1500億円、全世界株式が約460億円
信託報酬はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が少しだけ低いです。ですが、差は0.0176%だけですので、気にするほどではないと思います。また、純資産の面でも米国株式の方が良い状況です。米国株の圧倒的な人気の高さがうかがえます。
パフォーマンスの比較
パフォーマンスを比較して見ます。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の設定日である2018年10月31日を0%として比較しました。
青が米国株式、橙が全世界株式になります。
- 最初の頃は、全世界株式の方が少しだけ良いパフォーマンスでしたが、途中からは米国株式が圧勝する形になりました。
- なお、別のETFを用いて長期の比較をすると、差はもっと大きくなります。
- ただし、区切る期間によっては全然増えていないときもある(こちらの記事で詳しく説明されていますので、私からは説明しません)。
信託報酬の差だけでは考えられないほどの差が出ていますので、これは米国株式のパフォーマンスが良いことを示しています(あるいは、米国以外のパフォーマンスが良くない)。
では、どちらに投資をするかと言われると、私であれば全世界株式に投資をします。以下、そのように考える理由を説明します。
全世界に投資をする理由
今後のパフォーマンスは分からない
近年の米国株式のパフォーマンスが良かったことは否定できませんが、それが今後のパフォーマンスを保証しているわけではありません。
先の記事のように、長期間上昇しないときもあるかもしれません。さらに、米国や米国企業の良さは理解しますが、変化の激しい時代ですので別の国が台頭してくる可能性も否定はできません。
米国は大国だから大丈夫と思うのもあまり良くないと思います。
- 例えば、新型コロナウイルスの被害がもっと大きければ、本当にどうなっていたか分かりません。
- また、今後も同じようなあるいは別の出来事で大きく事態が変わる可能性もあるわけです。
この考えは私がまだ20代で、あと30年、40年と投資を続ける前提に立っていることもあるかもしれませんが、そう言った考えもあるという程度に受け止めていただければと思います。
なお、S&P500のパフォーマンスはGAFAMの影響を大きく受けていて、GAFAMを除くとTOPIXと同程度のパフォーマンスしかないようです。しばらくは今の調子を維持すると思いますが、今後のパフォーマンスには注目しておいた方が良さそうです。
まとめ
おそらく、今後も米国だけに投資をしておく方が良い結果になる可能性が高いと思っています。しかし、米国だけにしか投資をしていない場合、米国株が長期的に不振になったときが心配です。なので、私であれば全世界に投資をしておきます。
最終的には、自分が米国を信じられるかどうかだと思います。米国をおすすめする人の意見と全世界をおすすめする人の意見をじっくりと比較した上で、どちらに投資をするか判断していただければと思います。
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